SBの対応に激怒した有名人

スカイ・クロラの原作者の森博嗣氏がiPhoneのトラブルでソフトバンクモバイルに激怒

作家の森博嗣氏がソフトバンクで購入したiPhoneの回線が突然つながらなくなり、ソフトバンクモバイルに持って行ったところ、「初期不良であることは確認できましたが、このiPhoneソフトバンクで販売したものではないので、こちらでは一切対応ができません」というわけのわからない対応をされ、挙げ句の果てに「違法なソフトをダウンロードした可能性があります」というようなことを言われてしまい、かなり激怒したためなのか、連日に渡って自身のブログで事の顛末を書き立てています。


この記事は、何度も何度も読み返し、そして考えさせられるモノでした。


今回はLIMUもちょっとマジメに記事を書いていこうと思います。





えーっと。


まず、7月11日にiPhone3Gがソフトバンクモバイルから販売されることにあったということを、ショップスタッフさんは一般の人たちと同じタイミングで知らされたそうです。
詳細を知りたくても、上からは何も情報が下りてこない。
下手すると、ネットで検索した方が詳しい情報が得られる、というようなパニックに近い状況だったそうです。

それに加えて、元々からのiPod touchユーザーの方からの難しい質問、使ったことのないMacについての質問、本当に多岐に渡るもので混乱するのも無理はない。
私だって、iPhone3Gを購入したからMacBook買いましたけど、それまではapple製品って正直あまり触ったことありませんでした。
どんなに頑張っても、iPodnanoくらいデシタ。

そしてそんな、ある意味「滑稽」だと思われても仕方のない茶番から2ヶ月半くらい経ったでしょうか?
きっとソフトバンクのショップスタッフさんは、懸命に日々iPhone3Gと格闘し、自分たちなりに勉強をしていっていると思うんです。

でも考えてもみて下さい。
きっとショップスタッフさんたちよりも、私たちユーザーの方がiPhone3Gを触っている時間って長いんじゃないでしょうか。

変な言い方ですけど「好きで持っている人」と「仕事だから使わなくてはならない人」って、頭の中に入っていく情報量って全く違うと思うんですよね。

「仕事なんだからちゃんと勉強せいゴルァ!」って言われてしまえばそこまでなんですけど、どうしてそういう風に「人対人」であることも忘れて怒鳴れるのかが分かりません、私はね。

それに、iPhone3Gを売ると「メールのアカウント設定ができません」だの「Safariが落ちるぞゴルァ!不良品じゃねぇのか!」っていうクレームに日々向き合わなくてはならない、それがソフトバンクショップの窓口の人たちだと思うんです。
毎日続いてるんだと思うんですよ、こういう問い合わせが。

ぶっちゃけて言うと、そりゃーiPhone3Gに対しての感情って、あまりイイものを持てないんじゃないでしょうか?
上層部はどうか知りませんよ、ソフトバンクモバイルさんの命運をかけた商品ですから、アピールしまくりーのでしょう。
でも実際に応対してくれるのって、いつもショップスタッフさんたちだと思うのです。

ない時間を削って得た知識の中に、その人はたまたま「脱獄」というモノがあった。
ショップで試行錯誤しても原因不明の状況になっている、こりゃ脱獄じゃなかろうか。
ソフトバンクショップでできることって、限られていると思うんですよね。
アップルストアみたいに使えるパソコンが配備されてるとも思えません。
業務用の必要最小限のシステムしか入っていないようなパソコンとかじゃないでしょうか。

森氏のお気持ち、お察しします。
でも私なら、まずはアップル方面に問い合わせます。
門戸は開かれているのですから。

アップルストアで交換対応だってしてくれますし、アフターケアとして色々と教えてくれるらしいですし。

安易に「脱獄」と結論付けて突き返してしまったショップスタッフも軽率だとは思います。
もっとアフター窓口なんかで、ちゃんと詳しく尋ねてみて、それでも分からなければアップル方面に電話問い合わせしても良かったのではないでしょうか。
まぁ電話では解決できないでしょうから、アップルストアへの誘導を促されるとは思いますが。

元々、iPhone3Gに対してショップスタッフさんがどれだけイイ感情を持っているのかとか、私には分かりません。
でも少なくとも私はiPhone3Gはとても素敵な端末だと思いますし、これからもずっと付き合っていきたいと思う商品です。
つまり、ソフトバンクさんとのお付き合いも長くなると思うわけです。

まず、ソフトバンクモバイルさんに伝えたいこととしては…ショップスタッフさんに何でも投げすぎなのではないでしょうか、ということ。
会社の命運をかけた端末であるなら、もっと末端のスタッフにまで専門的な知識を持たせる必要があるのではないでしょうか。
誰もが自発的に自分の時間を使って勉強するとは思えません。
社員教育の必要性が感じられます。
ですがそれは、全てがスタッフさんが悪いわけではないと思うのです。
「売れー売れーもっと売れー!」と言うからには、それなりの材料を与えるべきだと思ったりするわけなのです。
もっとスタッフ向きの「専門的な」資料を与えてみてはどうでしょうか。
正統派なものから、もちろんアングラ的な内容のものまで。

中途半端な「脱獄」の知識が、森氏へ不快な思いをさせてしまったと思います。


ソフトバンクショップは、iPhone3Gに関して言えばすべてのショップが「代理店」のような扱いです。
何か初期不良・故障があればソフトバンクショップで交換対応が可能です。
ですが、もし初期不良ではなかった場合や脱獄の形跡が見られた場合、どのようなショップでどのような状況であったとしても交換品の代金をアップルから請求されてしまう、と噂で耳にしました。
脱獄されたiPhone3Gを安易に交換対応してしまうと、その差額はソフトバンクへ請求されます、そしてソフトバンク本体からそのショップへ請求されるのでしょう。
これは損害です。
何より「あのショップなら脱獄失敗しても簡単に交換してくれるぜwwww」なんてどっかの掲示板に書き込まれでもしたら…それはなんともかわいそうな結末になってしまうのではないでしょうか。

安易な交換を避けた慎重な結論、とも言えるショップスタッフさんの対応だったのかもしれません。
ただ、森氏に不快な思いをさせてしまったという点に関しては素直に謝罪をしてもいいのではないでしょうか。
そして、「当店では対応できかねる内容ですので、大変お手数ではございますがお近くのアップルストアへお持ちいただけませんか?」と森氏に伝え、なおかつ森氏が向かおうとするアップルストアに事情を説明し、引き継ぎをしておくのが妥当な行動ではなかったんじゃないでしょうか。


まるでソフトバンクショップのスタッフさんを擁護するような記事になってしまいましたが、私としては辛口のつもりです。
ショップスタッフさんに対してというよりも、ショップスタッフさんを「iPhoneマスター」として教育しきれていない、ソフトバンクモバイルという会社の上層部に対して、ですかね。

とりあえず、何があっても謝罪するのが接客業なのではないでしょうか。
私も接客業なので分かりますが、どんなに頭を下げたくない内容だったとしても、どんなに頭を下げたくない相手だったとしても「申し訳ございません」で終わってしまうこともたくさんあるんですから。
あ、これはちょっと本音が出過ぎた。



ただ、ソフトバンクのお店の人は大変良い人で、その人はマニュアルどおりの行動をしているだけだ。たぶん、電話に出るサポートセンタの人間も同じだろう。ようするに、人が悪いわけではなく、マニュアルが不行き届きなのである。
 こうして2週間ほど放置してあったが、まったく連絡がないので、根負けしてアップルへ相談をすることにした。とりあえず、サポートセンタへ電話をかけた。このとき、僕のミスで違う係につながってしまったが、丁寧に案内してくれた。「うちでは対処できません」だけの一点張りではなく、「どうしたら良いか」を教えてくれるだけでも、インテリジェンスだなと感じた。この点だけを見ても、ソフトバンクよりもアップルの方が企業としてのレベルが高い。

森氏、あなた様のおっしゃる通りだと思います。

もっと細部にわたるマニュアルがあれば、ショップスタッフさんも森氏へ不快な思いをさせずに済んだと思います。
ただ、やっぱり「申し訳ございません、お手数ですが」っていうのはあるべきだと思いますがね、ショップスタッフさん。



書きたいことはまだまだあるけど、今日はここまで。



んで、私の結論ですが…。


「信頼できる人を頼るべき」でしょうか。


現状では、iPhone3Gに関してはアップルストアを頼った方がいいのかもしれません。
よほどいいスタッフが、ソフトバンクショップにいない限りはね。

でももしソフトバンクショップに、iPhone3Gを愛してやまないスタッフさんがいたのだとしたら、大切にしてあげてほしいと思います。
そんなスタッフさんがお客さんに苛められて「もう耐えられません、携帯業界なんてまっぴらごめんです。」って退職していかないようにねw